スペインで闘牛や牛追い祭りが危機に、牛の感染症拡大
【パリ=島崎雅夫[読売オンライン]】スペインで、蚊が媒介するウイルス性の病気「青舌病」に多くの牛が感染し、春から本格化する闘牛や牛追い祭りの開催が危ぶまれる事態となっている。同国で闘牛用などの牛を飼育する業界団体は「過去1世紀で最悪の危機」としている。
同国では、南部アンダルシア地方や中部カスティーリア・ラマンチャ地方などで、約4万頭が闘牛や牛追い祭り用に飼育されている。同団体によると、このうち65%以上が青舌病に感染していることが判明した。
この病気は、牛やヒツジなどの反すう動物がかかるもので、高熱が出て顔や舌が腫れ上がり、死に至るケースが多い。人間には感染しないが、同国政府は感染牛が出た地域の飼育場を隔離し、牛の移送も禁じた。
このため、闘牛や牛追い祭りなど「数千のイベント」(同団体)の開催が困難な状況となった。同団体は「闘牛や牛追い祭りは年間約3000万人の観客を集めるスペインの伝統文化であり、打撃は大きい」とし、闘牛や牛追い祭りに携わる観光業などの数十万人も今後影響を受けるとの予測を公表した。週明けには、スペイン政府とも対応策を協議する方針だ。
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