急性脳症の原因は脱髄か
スギヒラタケ、初の脳解剖[共同通信]
腎機能障害のある人がスギヒラタケを食べ、相次いで急性脳症になった問題で、東京都神経科学総合研究所の新井信隆(あらい・のぶたか)部門長と秋田大の共同研究チームが13日、脳症発症後に死亡した女性の脳を初めて解剖した結果を、宇都宮市内で開かれた日本神経病理学会総会学術研究会で発表した。
新井部門長らによると、解剖の結果、神経細胞同士を結ぶ軸索の周囲を取り囲む組織が破壊された、「脱髄(だつずい)」という症状が確認された。脱髄になると、情報伝達が阻害され、意識障害やけいれんなど、脳症の症状を引き起こすという。
脱髄の原因としては、ウイルス感染や薬物中毒などが知られているが、スギヒラタケの毒素は解明されておらず、この女性の原因は不明。女性の脱髄は小さい病巣が全脳にわたっており、このようなパターンは極めて珍しいという。
新井部門長は「今回の解剖で、脱髄が原因で脳症になった可能性が高いことが分かった。同様の症状がほかでも確認され、原因が確定的になれば治療や予防に役立つ」と話している。
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