3/18/2005

青舌病

スペインで闘牛や牛追い祭りが危機に、牛の感染症拡大

【パリ=島崎雅夫[読売オンライン]】スペインで、蚊が媒介するウイルス性の病気「青舌病」に多くの牛が感染し、春から本格化する闘牛や牛追い祭りの開催が危ぶまれる事態となっている。同国で闘牛用などの牛を飼育する業界団体は「過去1世紀で最悪の危機」としている。
 同国では、南部アンダルシア地方や中部カスティーリア・ラマンチャ地方などで、約4万頭が闘牛や牛追い祭り用に飼育されている。同団体によると、このうち65%以上が青舌病に感染していることが判明した。
 この病気は、牛やヒツジなどの反すう動物がかかるもので、高熱が出て顔や舌が腫れ上がり、死に至るケースが多い。人間には感染しないが、同国政府は感染牛が出た地域の飼育場を隔離し、牛の移送も禁じた。
 このため、闘牛や牛追い祭りなど「数千のイベント」(同団体)の開催が困難な状況となった。同団体は「闘牛や牛追い祭りは年間約3000万人の観客を集めるスペインの伝統文化であり、打撃は大きい」とし、闘牛や牛追い祭りに携わる観光業などの数十万人も今後影響を受けるとの予測を公表した。週明けには、スペイン政府とも対応策を協議する方針だ。

BSE in Japan

BSE感染、15例目を確認 北海道の死亡牛[朝日新聞]

 農林水産省は26日、北海道本別町の牧場で死んだ乳牛(ホルスタイン種、雌)からBSE感染が確認されたと発表した。日本では15例目。同省は北海道とともに、飼料など感染経路の調査を始めた。すでに現在の牧場の同居牛は移動を禁止しており、この牛が12カ月齢になるまで同じ場所で飼われていた牛も追跡調査して一部処分される見通しだ。同省のプリオン病小委員会の専門家が26日に検査結果を協議し、確定診断した。牧場での死亡牛のBSE検査で確認されたのは3例目となる。同省衛生管理課によると、感染牛の月齢は102カ月。酪農家が牛を出荷するためにトラックに積み込もうとしたところ転倒。出荷を中止して農場で飼育していたが起立不能になり、22日に廃用牛として処分されたという。獣医の診断では「関節炎」だったという。

3/16/2005

ALS vs Football

ALSの発症なぜか6倍も 伊のプロサッカー選手

【ワシントン15日[共同通信]】イタリアのプロサッカー選手は、全身の筋肉が徐々に動かなくなる筋委縮性側索硬化症(ALS)の発症率が平均の約6倍になっていることが、同国トリノ大などの研究チームの調査で分かった。15日までに脳神経学の専門誌に発表した。ALSの発生が特定のスポーツ集団で高いことが分かったのは初めて。研究チームはヘディングなどサッカー特有の体への衝撃や、筋肉増強剤の悪影響など複数の仮説を示したが、発表者の1人は「今のところ、普通の人がサッカーをやめる理由は全くない」と話している。
 ALSは原因不明の難病で治療法もない。イタリアだけの現象なのか、他の運動との関連があるのかは謎。研究チームは「調査対象を別のプロ競技にも広げ、原因に迫りたい」としている。調べたのは1970-2002年にサッカーリーグのセリエA、Bでプレーしたプロのイタリア人選手7300人余り。イタリアの平均的な発症率からは、この期間中のALS発症は0.8人弱にとどまるはずだが、実際にはその約6倍の5人が発症していた。発症年齢は平均43.4歳と通常の患者より20歳も若く、プレー期間が長いほど発症の危険が高いことも分かったという。

Severely increased risk of amyotrophic lateral sclerosis among Italian professional football players
Adriano Chiò, Gianmartino Benzi, Maurizia Dossena, Roberto Mutani, and Gabriele Mora, Brain 2005 128: 472-476

3/08/2005

vCJD in Japan 2

[英仏滞在1日でも献血禁止]

 2月に国内初の変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)と診断された男性患者が、1990年に英国、フランス両国に計二十数日間滞在していたことが7日、厚生労働省の調査で分かった。同省は滞在期間が短いことを重視、80-96年の間に両国に1日以上滞在した人の献血を禁止することを決めた。
 両国は変異型CJDの発生国で、同日開いた血液事業部会運営委員会で対応を協議し「世界的に最も厳しい措置」(血液対策課)を決めた。日赤によると、献血者が年間数10万人減る恐れがあり、深刻な影響が予想される。
 現在の献血制限は、80年以降に英国滞在1カ月以上、フランス滞在6カ月以上の人が対象。新たな制限は一定の周知期間の後に行う。
 感染ルートを調べていた厚生科学審議会CJD等委員会が同日公表した調査結果によると、50代のこの男性患者は90年前半に、変異型CJDの感染源とされる牛海綿状脳症(BSE)の発生国の英国に24日間、フランスに3日間滞在していたことがパスポートで確認された。英国滞在中、肉汁を使った「グレービーソース」やハンバーガーなど、変異型CJDの発症原因と指摘されている食品を食べたことも家族の聞き取りで分かった。輸血、手術歴はなく、同委員会はBSEが猛威を振るっていた英国で感染した可能性が有力、と結論付けた。2月の診断時に英国滞在時期を「89年」と発表したが、90年と修正した。
 英国で食用牛から脳などの特定危険部位除去が始まった89年11月より後だが「96年に対策が完了するまで危険性はあった」としている。
 血液対策課によると、欧米の献血制限は、米国とカナダが「英国滞在歴3カ月以上」としているのが最も厳しい。


[変異型クロイツフェルト・ヤコブ病]
牛海綿状脳症(BSE)の牛の肉を食べて感染

すると考えられている人間の病気。BSEが発生した英国で1996年に初めて確認された。脳に異常プリオン(タンパク質)が蓄積するのが原因とされ、脳にスポンジ状の穴があく致死的な症状がある。ヤコブ病には変異型(vCJD)のほかに原因不明の「孤発性」、遺伝子異常で起きる「家族性」、脳の硬膜移植などによる「医原性」があり、孤発性は100万人に1人の割合で発生する。変異型かどうかの確定診断は、死後に脳の病理検査をしないと難しいとされる。
 今回、男性患者の英国滞在歴が短かったため、厚生科学審議会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会は、発症原因となるプリオンタンパク質の最少量を検討。牛の感染実験から、人でも少量で発症する可能性があるとの見方を示した。
 欧州以外で発症した米国とカナダの症例は1979―92年、87―90年と英国に長期滞在。男性は24日程度と短く、プリオンの摂取が少なくても発症するのかが焦点の一つとなった。
 英国の研究機関の実験では、牛海綿状脳症(BSE)に感染した牛の脳組織0.1グラムを、感染していない牛に経口投与すると15頭中3頭が発症。0.01グラムと0.001グラムではそれぞれ15頭中1頭が発症した。
 同委はこれらから「ごく少量で発症する牛がおり、結果を人にそのまま適用するには無理があるとしても、人でも、少量のBSE牛を食べた時に発症し得ないとはいえない」とした。
 ただ、「(発症例が)多いか少ないかは言えない」(同委員長・北本哲之(きたもと・てつゆき)東北大教授)とし、発症メカニズム解明のため、研究の推進を求めた。


[「献血減なら制限再検討」 変異型ヤコブで尾辻厚労相]

 尾辻秀久厚生労働相は8日の閣議後の記者会見で、国内初の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者の発生を受けた英国、フランス滞在者の献血制限について「国民の安全を守るため、一番厳しい措置を取らなければならない」とする一方「実施状況を調査し、あらためて次のことを考える」と述べ、献血者が大幅に減り血液が不足する場合は再検討する考えも示した。
 全国の医療機関に対し、輸血用血液の使い過ぎがないよう適正使用を要請することも「今後考える」とした。
 患者の男性が英国に244日間、フランスに3日間滞在していたことが確認され、同省血液事業部会運営委員会が7日、1980―96年に英国、フランスに1日以上滞在した人の献血を禁止する方針を決めた。献血者への問診方法や安全性の評価など技術面の検討は今後、同部会安全技術調査会で行う。

[共同通信]

牛乳と骨

[シカゴ 7日 ロイター]米小児科学雑誌ペディアトリクスは、牛乳を多く飲む子供の骨は、必ずしも他の子供よりも健康に成長しているわけではないとする報告を掲載した。
 同報告は、強い骨を作るため、運動をすることや、豆腐、ブロッコリーなどカルシウムを豊富に含む食品を適度に摂取する方法を提唱している。
 報告は、過去に発表された調査結果を引用したもので、厳格な菜食主義を推奨するグループが作成した。
 報告を作成したエイミー・ラヌー医師は声明で、「科学的な検証の結果、牛乳神話は崩壊た。過去に発表された58の調査結果をもとにした今回の分析は、米国の乳製品摂取推奨の根拠が脆弱なことを示している」と述べた。

3/07/2005

アクリルアミド

食品アクリルアミド低減を 国連専門委「有害の恐れ」

【ワシントン6日共同通信】フライドポテトなど炭水化物が多い高温加熱食品に〝副産物〟として含まれる化学物質アクリルアミドについて、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同専門委員会は6日までに「健康に有害な恐れがあり、食品の含有量を低減させるべきだ」とする勧告をまとめた。各国の食品規制当局に対し、大幅に低減させる技術を早急に導入するよう食品業界に促すことを求めている。
 アクリルアミドは土壌改良剤などの原料として工業的に広く使われ、動物実験で発がん性が指摘されてきた。食品への含有は2002年に初めて分かり、食品として摂取した場合の危険性は評価が定まっていなかった。専門委は、日本を含む24カ国が提出した食品からの検出報告や、動物実験結果を検討。現状の含有量は、多量に摂取するなど条件によっては有害となる恐れがあると結論づけた。
 アクリルアミドを減らす努力が特に重要な食品としてフライドポテト、ポテトチップス、コーヒー、パン、トーストなどを挙げた。同じ食品でも調理時間や温度により含有量は異なるため、専門委は「どの食品は、どれだけ食べても安全か」との勧告は不可能とした。また、有害性については不明確な点が多く、進行中の長期にわたる動物実験の結果がまとまり次第、危険性を再評価すべきだとした。

vCJD in Japan

変異型ヤコブ病 80-96年英仏 滞在1日で献血禁止 数十万人が対象

 「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」(vCJD)の患者が国内で初めて確認された問題で、厚生労働省は7日、1980年から96年にかけ、イギリスとフランスに一日以上滞在していた人の献血を禁止することを決めた。日赤によると、対象者は数十万人にのぼる。臓器提供も同様に禁止される。
 国内初の患者が1990年、英国とフランスに短期間滞在していたときに感染した可能性が有力との判断を受けての措置。患者は50歳代の男性で昨年12月に死亡。今年2月にvCJDと確認された。
 厚労省は1980年以降現在まで、イギリスやフランス、ドイツ、イタリアなど十カ国に半年以上滞在していた人に対し、献血禁止措置を取っていた。しかし、二月に初の患者が確認されたことで、イギリスだけは献血禁止措置の対象者を滞在歴一カ月以上に拡大した。フランスなどほかのBSE(牛海綿状脳症)発生国は、半年以上のまま、据え置かれていた。
 ヤコブ病のサーベイランス委員会が患者の家族や主治医に対する聞き取り調査を実施。パスポートに残されていた渡航歴から、1990年前半に英国に24日間、フランスに3日間滞在していたことが確認された。手術歴や輸血歴はなかった。英国滞在中は現地の庶民料理を好み、vCJDの原因となりうる材料が含まれていた可能性があるハンバーガーやグレービーソースを食べていたことが分かった。
Sankei

3/04/2005

CJD in Africa

モロッコでヤコブ病死者か 北アフリカで初

【カイロ3日[共同通信]】モロッコからの報道によると、同国政府は3日、カサブランカの病院で、61歳の男性が牛海綿状脳症(BSE)に似た人間の脳の病気、クロイツフェルト・ヤコブ病により死亡したとみられると発表した。
 モロッコ保健省の幹部は「100パーセント確かではないが、ヤコブ病で死亡した可能性が高い」と述べた。確認されれば、ヤコブ病による死者は北アフリカでは初めてとなる。
 男性は2日に死亡。当局によると欧州をたびたび訪れていたというが、具体的な行き先は明らかにしていない。

記録

65歳女性が男児出産 自然妊娠で世界最高齢か

【リオデジャネイロ26日[共同通信]】ブラジル北東部アラゴアス州の地元紙によると、同州アラピラカで24日、65歳の女性が3250グラムの男児を出産した。母子ともに元気。
 世界最高齢出産の記録は、体外受精で妊娠し今年1月、女児を出産したルーマニアの66歳の女性とされるが、今回のケースは自然妊娠としては最高齢とみられる。
 出産した病院の医師によると、妊娠6カ月当時、膨らんだおなかを見た自治体関係者が腫瘍かと心配し受診を勧めるまで、女性は妊娠に気付かなかったという。年齢は出生証明書で確認された。女性は極めて貧しい上、夫が病気で約2週間前に死亡。地元自治体が養育費を補助する。
 
Copyright 2009 Everything B. Powered by Blogger Blogger Templates create by Deluxe Templates. WP by Masterplan